初期の固体ロケットモーターには黒色火薬が用いられた。埼玉県秩父市にある椋神社で毎年10月に行われる例大祭(龍勢祭り)で現在でも打ち上げられる龍勢ロケットは木材を竹タガで締め、内部に黒色火薬をつき固めた端面燃焼ロケットである。その後、ニトロセルロースとニトログリセリンを主体とした黒色火薬より性能のいいダブルベース火薬が登場し、旧軍のロケット兵器ではこれが用いられていた。第二次世界大戦の特攻兵器として知られる桜花のロケットエンジンは推力800キログラムの四式一号噴進器二〇型が三本束ねられ、それぞれ9秒間使用できた。
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第二次世界大戦の後には、コンポジット推進剤と呼ばれる固体燃料が開発された。これはブチルゴム、ポリウレタン、ポリブタジエン等の合成ゴム系の材料をアルミニウム (Al) などの金属粉、及び酸化剤と混錬したもので、酸化剤としては過マンガン酸カリウムや過塩素酸アンモニウム (Ammonium Perchlorate, AP) 等が用いられる。ゴムの基剤はそれ自体が燃料となるほか、酸化剤や金属粉の結合剤、および燃料の機械的性質を決定する。
NASA のスペースシャトルや宇宙航空研究開発機構 (JAXA) のH2Aロケットで用いられる SRB (固体燃料ロケットブースター)で使用しているコンポジット推進剤は、酸化剤としてAP、ゴムの基剤としては末端水酸基ポリブタジエン (Hydroxyl-Terminated PolyButadiene, HTPB) が用いられており、AP/HTPB 系コンポジット推進剤と呼ぶ。JAXA の SRB が使用するコンポジット推進剤は HTPB が14%、Al が18%、AP が68%と酸化鉄など若干の添加物から成る。現在用いられている過塩素酸塩アンモニウム系のコンポジット推進薬は燃焼時に大量の塩化水素を生じさせるため、発射後に毒性が強いガスが多量に拡散する。ケネディ宇宙センターでのスペースシャトル打ち上げでは風向きにより観客の場所制限を変えている。ケネディ宇宙センターでは調整池に排水されアルカリ投入で中和している。過塩素酸アンモニウムの塩素成分はオゾン層に悪影響を与えるほか、アメリカの防衛産業の工場付近では過塩素酸塩が環境へ多量に放出されていることが確認され近年では過塩素酸塩そのものの人体毒性が憂慮され始めていることなどもあり、代替となる酸化剤が求められているがいまだ研究途上である。